小石川の書体ファウンドリ「Koishikawa Foundry」の新作書体のタイプスペシメン(見本帳)を設計。書体そのものが主役となる、静かで力強い印刷物に仕上げました。
タイプスペシメンは、書体のためにつくられた一冊の本である——そう考え、文字の輪郭、ディテール、組み上がったときの気配までを、余白と紙の質感で引き出す構成にしました。判型はB5変形の縦長フォーマットを採用し、片面に巨大な文字、対向面に組み見本とキャプションを配置。読者の視線が自然と書体のふるまいを辿るリズムを設計しています。
用紙は主役となるミセスB-Fの落ち着いた白、カバーは一枚抜きのトレーシングペーパーに箔押しで書体名を乗せた構成。表紙を開くたびに新しい文字の風景が現れる、静かな演出を意図しました。
全96ページ、5ウェイト、欧文・和文混組の実例を30点以上収録。国内外のタイポグラフィカンファレンスで配布され、海外デザイナーからも反響をいただいたプロジェクトです。